モモの読書感想文037番外編~ 意外と知らない村上春樹の名作短編3選

モモです。

 

村上春樹と言えば、取り上げられるのは『ノルウェイの森』や『1Q84』、最近だと『騎士団長殺し』などの長編小説が多いと思いますが…

 

  

 

実は短編作品にも面白いものがたくさんあります。

時間がないときにもさらっと読めるのが魅力の短編作品

数ある中から選りすぐりを3つ! ご紹介したいと思います。

 

前回の感想文はこちら。

 

 

『鏡』(カンガルー日和)

カンガルー日和』に収録されている作品。

 

来客は順番にそれぞれ怖い体験談を語っていった。最後に家の主人である「僕」も話をすることになった。10年以上前の話だ。

新潟県の小さな町にある中学校に夜警の仕事を得た。それはその仕事の見回りのときに起こった。

廊下のまん中あたりにある玄関で、「僕」は暗闇の中で何かの姿が見えたような気がする。木刀を握りなおし懐中電灯の光をかざすと、光を投げかけた先に「僕」がいた。つまり、鏡だった。煙草を3回くらい吹かしたあとで、奇妙なことに気づいた。鏡の中の僕は僕ではなかったのだ

 

鏡の中の「僕」は何者なのか?

なぜ鏡の中の「僕」に恨まれているのか?

鏡はいったいどこへ消えたのか…?

謎が謎を呼ぶ本作、あなたはどう解釈しますか?

 

モモの感想文はこちら。前後編に分けて謎解きしています。

 

 

『ねじまき鳥と火曜日の女たち』(象の消滅)

 

長編小説『ねじまき鳥クロニクル』のもとになった作品。

短編集『象の消滅』に所収されています。

  

 

スパゲッティをゆでていたところにかかってきた、知らない女からの奇妙な電話。セクシャルな内容だったので無理やり切り上げて、いなくなったを探しに行くと、路地でサングラスをかけた少女に出会う

猫の通りみちで少女と待ち伏せをしているうちに眠り込んでしまい、目が覚めるといつのまにか少女は姿を消している。

結局見つからなかった猫の死を予感し、泣く妻。電話のベルは鳴りやまない。

 

登場人物がみんなキャラ立ちしていて魅力的。大きな物語の始まりを予感させる短編です。

一見なんの脈絡もなさそうなストーリーでありながら、だからこそそこから受け取るメッセージは人それぞれだと思います。

私の解釈はこちらで。

 

 

『四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』(象の消滅)

またまた短編集『象の消滅』より。

なにしろ17編所収されていますから…!

 

四月のある晴れた朝、原宿の裏通りで僕は100パーセントの女の子とすれ違う。

僕は胸を高鳴らせながらも話しかけることができないまま、ただすれ違う。

今では、そのとき彼女にどう話しかけるべきだったのか、僕にはちゃんとわかっている。

とにかくその科白せりふは「昔々」で始まり、「悲しい話だと思いませんか」で終わる。

 

要するに、原宿を歩いていたら好みの女の子がいたけどナンパしそこねた。っていう話。

さて、じゃあどうやって話しかければよかったんだ? って考えた「僕」は、相手に好意を伝えるときに、「昔々~」で始まる、いわゆる ” 物語 ” を彼女に話すべきだったんだと思い至った。

 

この作品がなぜ好きかというと、村上春樹さんの人となりが強く出ている作品のように思えるからです。

たとえば極端に恋愛観が合わない人とは友達になれなかったりするように、恋愛の仕方ってすごくパーソナルな部分が出る。

ああ、村上春樹って変な人なんだな…って思います。でもそこがいいというか。

変な人ってなかなかどうして魅力的だし、そう思う女の子はまあまあ多いんじゃないかな。

感想文はこちら。

 

 

短編と長編、それぞれの魅力

短編長編では、独語の余韻の質が全然違う。

長編の読後は、どっぷりつかっていた物語の世界を現実までひきずる感じ。

しおりをはさんでおいたページをめくると、その中にすうっと帰っていくような感覚も長編にしかない。

 

対して短編は、物語の芽が自分の中に埋まる感じ。

芽吹くとは限らなくて、ずっと埋まったまま消化不良になっちゃう作品も結構ある。かと思えば数年後に読んだらいきなり芽吹いちゃうようなものもある。

単純に「長編作品の短いバージョン」ではなくて、まったく別もの。短編には短編の作られ方があるんだろうし、楽しみ方があると思います。

 

ということで、意外と知らない村上春樹さんの名作短編3選のご紹介でした。

 

それでは、また!

 

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