モモの読書感想文036~『四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』村上春樹
モモです。
最近は短編小説ばかり読んでいます。
『象の消滅』
面白い短編作品がたくさん所収されているので、ちょこちょこ感想文を書いていこうと思います。
今日は3作目。
今回の読書感想文は・・・
『四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』著:村上春樹
タイトルがいいじゃないですか。
四月も、晴れた朝も、100パーセントの女の子も、すべてがいいよねこのタイトル。
前回の感想文はこちら。
あらすじ
四月のある晴れた朝、原宿の裏通りで僕は100パーセントの女の子とすれ違う。
僕は胸を高鳴らせながらも話しかけることができないまま、ただすれ違う。
今では、そのとき彼女にどう話しかけるべきだったのか、僕にはちゃんとわかっている。
とにかくその科白は「昔々」で始まり、「悲しい話だと思いませんか」で終わる。
毎度思うけど、こうやってあらすじにしてしまうと本当に意味が分からない作品ばかりなんだよなぁ…
要するに、原宿を歩いていたら好みの女の子がいたけどナンパしそこねた。っていう話なんだけど…
さて、じゃあどうやって話しかければよかったんだ? って考えた「僕」は、相手に好意を伝えるときに、「昔々~」で始まる、いわゆる ” 物語 ” を彼女に話すべきだったんだと思い至った。
この物語がどんな物語なのかはぜひ実際に読んでみてほしい。
告白のセンス
ところで、あなたは好きな人に告白をしたことがありますか?
私はあります。でも、物語にはしなかったよね。好きになっちゃった、ってかわいく(わたし調べ)言っただけ。
学生時代に経験するような告白って、だいたいまぁ似たようなものだと思う。
好きです、付き合ってください。とか、ずっと好きでした。とかね。
でもなんかこの「僕」の作り出した物語を読んだら、告白ってもっとバリエーションがあってもいいよなと思いました。
どういうふうに好きなのか。
まるで、どんなものみたいに好きなのか。
気持ちを伝えるのには、ストーリーがあった方がいいなって。
いったん ” 物語 ” に変えて、箱に詰めて、リボンをかけてから渡す。
告白にもセンスってあるんだ。そう思いました。
村上春樹はラブレターの名手だった
本人がラジオで言っていました。
村上流のラブレターの書き方。
好きな気持ちばかり前面に出すと読むほうも疲れちゃうから、日常の面白いことや楽しいことをコレクションしておいて、それを書くんだそうです。
それで、ちょこっと「好きだよ」とか書くのがコツだと。
ちょっと想像するだけでキュンとしませんか…
大事なことはちょっとだけ、でいいんですね。
それってなんだか小説と似ていますね。
主人公の「僕」の作った物語は、良いラブレターになるのかな?
私は結構好きだったけど、人によっては警察に駆け込むかも?(また?)
それでは。
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