モモの読書感想文026〜 『絶望名人カフカの人生論』
いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです
こんばんは。モモです。
さて今回の課題図書は、こちら。
『絶望名人カフカの人生論』 フランツ・カフカ
- 文庫: 267ページ
- 出版社: 新潮社 (2014/10/28)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4102071059
- ISBN-13: 978-4102071052
- 発売日: 2014/10/28
前回の感想文はこちら。哲学にはまっております。
とにかくネガティブだったカフカ
フランツ・カフカといえば、『変身』や『城』なんかが有名ですね。
カフカに影響を受けたとされる小説家も多くいます。というより、カフカ的なものって小説家の中ではもはや共通認識の類なのかも。
カフカの手紙やノート、日記などからネガティブワードを集めた本書。
どんよりした気持ちになるかと思いきや、これがかなり笑える。いつもドン底まできっちり絶望している様子はむしろギャグなんじゃないかという気がしてくるほど。
ぼくは人生に必要な能力を、なにひとつ備えておらず、
ただ人間的な弱みしか持っていない。
あれもない、これもない、でも弱さだけはある。弱さだけは大事に大事に抱えているカフカ氏。
いつだったか足を骨折したことがある。
生涯でもっとも美しい体験であった。
「やらない」「できない」大義名分があると安心するカフカ氏。
ミルクのコップを口のところに持ち上げるのさえ怖くなります。
そのコップが、目の前で砕け散り、破片が顔に飛んでくることも、起きないとは限らないからです。
もはやミルクすら落ち着いて飲めないカフカ氏。
こんなネガティブワードをずっと読んでいて、くすくす笑っていたら気が付きました。カフカは絶望することが好きなんだと。
絶望していれば、それよりも落ち込むことはないという冷ややかな安心感。
病気でいれば、できないことがあっても許されるというずるい安心感。
そういうメリットがあるからずっとネガティブでいられるんだなぁって。
逆に、良いことばかり起こる人はきっと、その裏側のデメリットも背負える人なんだ。
でもカフカのすごいところは、そのネガティブを芸術に昇華してしまうところですね。カフカがこんな性格じゃなければ、名作は生まれなかっただろうから。芸術家の夢の裏側だね。
最後に、語録系で一番好きな本をご紹介。
『おじゃる丸のまったり語録』
肩の力が抜けて、とっても癒されるまったり語録がいっぱい。おじゃる丸の声マネしながら読んでみてね。
この本好きすぎて教育実習に行ったときに何冊か買って教室に置いてきた。(笑)
生徒たちが癒されていますように。
それでは、また。
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