モモの読書感想文024〜 『ソクラテスの弁明』プラトン

 

こんばんは。モモです。

 

坂を転がり落ちるように、毎日着実に寒くなりますね。秋の夜長というけれど、味わえる期間は短いな。

 

そんな今回の課題図書はこちら。

  • 紙の本の長さ: 192 ページ
  • 出版社: 光文社 (2012/9/20)
  • 販売: 株式会社 光文社
  • 言語: 日本語
  • ASIN: B00H6XBHOM
  • Prime reading対象

前回の感想文も読んでね。

 

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ソクラテスの弁明』は、法廷において死刑を求刑されたソクラテスがした弁明をプラトンが創作作品として書いたものです。

実は、ソクラテス自身は書籍を遺していないんですね。

 

アテナイの皆さん

聴衆に語りかけるように始まる彼の弁明を、その場で聴いている裁判員の気持ちになって読んでみてください。

 

なぜソクラテスは処刑されなくてはならなかったのか?

そうまでして貫いた彼の信念とは?

 

アテナイの聴衆となり、著者プラトンとなり、ときに告発者メレトスとなりながら彼の弁明を聴いていると、不思議と今の人生のあれこれが腑に落ちていきます。

哲学を学ぶと悩みの質が変わる気がする。哲学なんて小難しいこと考えるほど心の余裕がない! という人ほど、食わず嫌いせずに触れてみるといいです。解決策って、本当に意外なところにあるものだな、と思います。

 

本当の賢さとは

人間はすべて「大切なことについて、知らない」という不知の状態にある。ソクラテスは「知らないことを知らないと思う」という点で、ほかの人々とは異なり、「人間的な知恵」をもつとされる

高名な医師も、教師も、神官も、自分に「知恵がある」と思っていては知恵がないことと同じこと。

たとえ学がなくとも、自分に「知恵はない」と自覚することができるのであればその人のほうがよほど賢いとソクラテスは言う。

そして、自分はそれについて「知っている」という人を、ソクラテスは容赦なくぶった切ります。

「え?知っているって?それって本当に知っていると言える?たとえば君は時間の概念を知っていると言うけど、時間の存在を証明できる? …して。今ここでしてみて。え?できない?じゃあそれ知っているって言える?それってさ、実は知らないんじゃない?知らないことを知っていると思うの、やめたほうがいいよ。知らないって思ってる僕のほうがまだ賢いよ」

 

・・・みたいな論議が大好物。ソクラテス、言っていることはもっともだがちょっと面倒くさいやつでもある。笑

 

「無知の知」のほんとうの意味とは

 

ソクラテスの根本的概念として有名な「無知の知」。自分が何かを知らないということを、知っている。

あまりにも有名な言葉になってしまっているけれど、それは実は間違った解釈なのだと本書の訳者は記しています。

ソクラテスは書籍を遺していないし、本書の中で著者プラトンは一貫して「知らないと思う」という慎重な言葉を使っているからです。

ソクラテスは知っている」かどうかということをとてもシビアにジャッジするし、それが「絶対に知っている」ことになるのかをいつも自問している。

だから、「知らない」ということに対してすら、「知らないと知っている」とはおいそれと言えないよ、ということでしょうか。

 

そういえば平安時代の日本では、「シ-ル」という言葉には「領地にする、治める」という意味もありました。「知る」ことは、「自分の物にする」ことでもあったんですね。

知識も自分のものにして初めて「知った」ことになるのかもしれないなぁ。

 

脳みそをひっくり返そう

 

死を恐れるということは、皆さん、知恵がないのにあると思いこむことにほかならないからです。それは、知らないことについて知っていると思うことなのですから。死というものを誰一人知らないわけですし、死が人間にとってあらゆる善いことのうちで最大のものかもしれないのに、(中略)人々はかえって、最大の悪だとよく知っているつもりで恐れているのです。

私は幼いころ、死ぬのが怖くて怖くて眠れなくなることがよくありました。タナトフォビア(死恐怖症)というのだそうです。実は大人になった今も怖くなることがあります。今も恐怖症だというわけではなく、たぶんこれは心のクセみたいなもので、幼いころにあまりにも死について考えすぎたせいで、お風呂に入っているときや寝る前なんかに、定期的にそのときの気持ちを思い出してしまうんだと思います。

でもこの私の恐れを、ソクラテスが知ったらどうだろう。

「え?死ぬのが怖いって?死んだことあるの?死んだ人が怖いよって教えてくれたの?え?なんとなくそんな気がする?じゃあそれってさ、実は知らないだけなんじゃない?知らないことを知っていると思うの、やめたほうがいいよ。死ぬのが怖いかどうかなんて知らないって思ってる僕のほうがまだ賢いよ」

 

ってウザったくお説教してくれそうです(笑)

 

次々とパラダイムシフトを起こしてくれるのも、哲学のおもしろいところ。

何かに悩んでいたら、それはいったん置いておいて哲学書を読んでみるのもおすすめですよ。コツは、内容が難しいからって「私バカなのかな?」と思わないことです。「こんなことばっかり考えて、この人たちバカなのかな?」と思いましょう。

 

こちらもおすすめ。

『読まずに死ねない哲学名著50冊』

人類の叡智を一気に読める唯一の本。

たくさんありすぎて何を読んでいいかわからない! というときにガイドになってくれます。

「読まずにぼんやり死んでいくなら、読んでもがいて生きていきたい!」

良いキャッチコピーですよね。ほんとうにそうだ。

なんで生きているんだかわからずにぼんやり死んでいくのは嫌だよね。

 

 

次は何を読もうかな。

それでは、また。

 

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