モモの読書感想文023~『俵万智訳 みだれ髪』

 

こんばんは! モモです。

 

今回の課題図書は、発売されたばかりのこちら。

 

  • 単行本: 200ページ
  • 出版社: 河出書房新社; 新装版 (2018/5/24)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4309026885
  • ISBN-13: 978-4309026886
  • 発売日: 2018/5/24

 

与謝野晶子の歌集『みだれ髪』を歌人・俵万智が現代語の短歌として訳したもの。

これが学校の図書館にあったら絶対読んだだろうな~。

 

 

前回の感想文はこちら。この記事気に入ってる(笑)

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『みだれ髪』は、明治時代に生きた与謝野晶子の歌集ですね。

昔々から貴族が多く詠む歌といえば、恋の歌。

切ない気持ちを花にたとえたり、月になぞらえたり、風に託したり。直接的な表現を避けて、ほんのりと恋を匂わせる。

明治時代に入ってもそのような文化は根強く残っていて、与謝野晶子のようにストレートに強く気持ちを表現することはまだまだ珍しいことでした。

晶子には与謝野鉄幹という想い人がいて、彼への恋する気持ちがもう、あふれてあふれて止まらないわけなんです。その気持ちを次々と歌に昇華した。そしてそれを鉄幹が編纂して『みだれ髪』ができた。

のちに鉄幹は妻子と別れて晶子と結婚します、当時は不倫でだいぶ叩かれたみたいですが…

 

そんな情熱的な恋に身を焦がした晶子の歌が、俵万智さんの言い得て妙としか言いようのないセンスで見事に現代語へパラフレーズされています。ため息がでちゃうよ。

 

たとえばこんな歌は

ゆあみする 泉の底の小百合花さゆりばな 二十はたちの夏をうつくしと見ゆ

 

俵万智を通すとこうなる。

バスタブに 二十歳の身体を沈めれば 泉の底の白百合の花

 

夏、湯あみをする若い娘。透明な湯の中にゆらゆらと浮かぶ身体はまるで白百合のように美しい…という歌ですね。二十歳の夏という一瞬の生命のきらめきとなまめかしさ。

晶子作のほうでは、誰かがその娘を見ているのかな、という印象も受けます。誰か(たぶん、すでに二十歳を経験し終えた誰か)が、その若さを眩しく思って見ている。

 

いっぽう、俵万智版。

まずいきなりリアリティが立ち上がります。なんたってバスタブですから。

これが自分の時代の言葉ってことなんですよね。いくら古い言葉を学んで知識として持っても、やっぱりその時代の空気を実感することって難しい。

晶子版では美しい絵画を見ているような、一歩引いた心持ちだったのが、俵万智版ではいきなり「共感」が入ってくる。バスタブに浸かっている、二十歳の女の子自身の気持ちに同化することができる。

ぼーっと湯に浮かぶ自分の身体を見下ろす。白百合のようだと思っているのははたして自分自身なのか、それとも自分が想定した誰かの視点なのか。うーん恋の匂いがしますね。

 

 

日本語って、ほんとうにおもしろい。美しくて、懐が深い言語です。

 

さて次は何を読もうかな~

 

それでは、また。

 

Next bookreport is…

 

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