モモの読書感想文019 ~番外編:江國香織作品の個人的おすすめを紹介します

 

こんばんは。モモです。

 

最近妹がKindleを買ったらしく、読書の楽しさに目覚めたようです。

江國香織さんの作品でおすすめある? と聞かれたので、ランキング形式でいくつかご紹介してみようと思います。

そういえばこれまでも友だちや同僚に何度か聞かれたことがありました。特に女性に人気の作家さんですし、読んでみたいと思うものの、作品数がとにかく多いので迷ってしまうんだろうな。

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前回の感想文は、こちら。

 

個人的おすすめ第3位

流しのしたの骨

  • 文庫: 310ページ
  • 出版社: 新潮社 (1999/9/29)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4101339155
  • ISBN-13: 978-4101339153
  • 発売日: 1999/9/29
  • 文庫本 ¥594

 

いまはなにもしていず、夜の散歩が習慣の19歳の私こと子、おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉しま子ちゃん、笑顔が健やかで一番平らかな`小さな弟’律の四人姉弟と、詩人で生活に様々なこだわりを持つ母、規律を重んじる家族想いの父、の六人家族。ちょっと変だけれど幸福な宮坂家の、晩秋から春までの出来事を静かに描いた、不思議で心地よくいとおしい物語。

 

何が起こるというわけでもない話、というのがとても好きなのですが、この作品はまさにそれ。

日常のたわいないこと、ささいな出来事、そういうものたちが江國さんの手にかかると不思議とみずみずしく輝く。でもリアリティはあまりなくて、薄いガラスばこの中をのぞいているみたい。

そしてどの作品にもわりと共通しているのは登場人物がちょっと「いっちゃってる」ということ。こと子も、母も、父も、もちろんしま子ちゃんも、長女のそよちゃんでさえやっぱり、ちょっと「いっちゃってる」。

そして家族のなかでいちばん「健やかで平らか」とこと子に評され、家族のバランス役である律の趣味はお人形作りである。女の子の。

 

 

個人的おすすめ第2位

冷静と情熱のあいだ

  • 文庫: 288ページ
  • 出版社: KADOKAWA (2001/9/25)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4043480032
  • ISBN-13: 978-4043480036
  • 発売日: 2001/9/20
  • 文庫本 ¥648

 

穏やかな恋人と一緒に暮らす、静かで満ち足りた日々。これが私の本当の姿なのだろうか。誰もが羨む生活の中で、空いてしまった心の穴が埋まらない。10年前のあの雨の日に、失ってしまった何よりも大事な人、順正。熱く激しく思いをぶつけあった私と彼は、誰よりも理解しあえたはずだった。けれど今はこの想いすらも届かない―。

 

主人公あおいは、イタリアで完璧な恋人マーヴと満ち足りた生活を送っています。でも心の中には今でも学生時代の恋人・順正がいて、マーヴの腕の中にいてもいつも「ここが私の居場所なのだろうか」と切なく思ってしまう。

 

これはたしか中学生の時に読んで、大人の恋愛って、生活って、なんて甘やかだろうとときめきが止まらなかったことを覚えています…

イタリアの街並みや、魅力的な登場人物たち。あおいが通う図書館、マーヴと出逢った勤め先のジュエリーショップ。

10年以上読み返しているせいで、それらはまるで私自身の思い出のようです。

ただ最近変わってきたことは、順正よりもマーヴ派になったことかな。大人になりました(笑)

 

個人的おすすめ第1位は…!

きらきらひかる

  • 文庫: 213ページ
  • 出版社: 新潮社; 改版 (1994/5/30)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4101339112
  • ISBN-13: 978-4101339115
  • 発売日: 1994/5/30
  • 文庫本 ¥497

 

私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである――。

笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人はすべてを許しあって結婚した、はずだったのだが……。

 

登場人物がみんなとにかく変わり者で感情移入ができないのに、読んでいくうちにいつのまにか睦月も笑子も紺くんも愛すべき存在に思えてくる。

 

アル中の笑子、夫でゲイの睦月、その恋人で、なぜか笑子とも仲が良い紺くん。普通ではない夫婦の風変わりな日常がこんなにも愛おしく思えるのは、まさに江國マジック。

 

ひりひりするような危うい毎日を、それぞれのやり方でマイペースに独特に生き抜いていきます。笑子はだんだんと情緒不安定になっていくけれど、睦月は抱くことができない妻に対してひたすらに優しくすることしかできない。

睦月が笑子にいつも優しくいられるのは、恋をしていないからだと思うな。そして笑子もそれをわかっているから、やさしくされると苦しい、と何度も言います。

まるで水の檻だ。やさしいのに動けない。睦月には私の気持ちが、私には睦月の気持ちが、こんなにくっきりわかってしまう。

 

紺くんがくれた鉢植えをにらみつけたり、紺くんとの思い出話をせがんだり、過去の恋人と睦月を比べてみたり。私には、笑子は睦月に恋をしているように見えるんだけどな。

 

ちなみにこの『きらきらひかる』には『ケイトウの赤、柳の緑』という続編があり、10年後の3人に会えます。

短編集『ぬるい眠り』に収録されています。未読の方はぜひ。

 

 

最近の作品について

さてお気づきでしょうか、この3作品はどれもずいぶん前(15~20年くらい前)に書かれた作品です。

私は今でも新刊が出たら必ずハードカバーで購入する熱烈ファンではあるものの、ある理由から最近の作品にはまることができずにいます。

それは、語りが三人称になったから。

 

一人称で書いている作家が徐々に三人称へ移行していくのは自然なことだと思います。一人称では物語を大きくしていくには限度があるから。単純に、3人での会話劇が不可能だし、登場人物が増えるほど一人称では書ききれなくなる。

わかっちゃいるんですが、これまでの作品にはまりすぎて、もっとほしい!読みたい!と思ってしまうんです。主人公と自分が重なり合うようなあの没入感は、一人称ならではですよね。特に江國さんが書くキャラクターと退廃的な雰囲気がすごく引き立つ書き方だと思います。

 

ただ、これは三人称でなければ! という作品ももちろんあります。

これ。↓

 

真昼なのに昏い部屋

 

この作品の独特の雰囲気…なんというか、作り物感?というか、感情がそぎ落とされた物語の雰囲気がすごく好きで、これは三人称だからこそのものだなと。

淡々としているのに、ラストが衝撃なんですよ。ずっとほくほく読んできた読者を最後の一文でトンと階段から落とすみたいなやり方、興奮しちゃう。(笑)

 

おすすめの読み方?

江國さんの描く世界ってリアリティがまるでないんです。日常がこまやかに描かれているのに生活感がないというか…お味噌汁の上澄みみたい。

あまりにも退廃的なので何日も続けて読んでいると頭がふやけてきて、世界と距離を取りたくなってしまうので、ときどき眠気覚まし的意味合いで林真理子のエッセイを読んだりする。(笑)

同じ女性作家でもここまで違うか、というくらい正反対の世界観で。特にエッセイはかなり俗っぽく振り切れていて面白いです。

そういえば友達が大学の時、いつもかばんのなかに京極夏彦と林真理子を入れていました。林真理子ブレイク、意外とみんなしているかも。(笑)

 

それでは、また。

 

Next bookreport is…

 

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