モモの読書感想文030~『記憶の盆踊り』町田康

 

モモです。

 

ブログの毎日更新を始めてから、本を読む時間が無くなってしまいました…

読書感想文を書きたくて投稿し始めたのに本末転倒な気もしますが、とりあえず3ヶ月は毎日更新するって決めたので! どうにか時間をひねくり出して趣味の読書も楽しみたいと思います。

 

というわけで、少しお久しぶりの感想文。課題図書はこちら。

 

 

AmazonのKindleでしか読めないのかな? たぶん紙では出版されていない。

プライム会員ならなんと¥0、一般会員でも¥199で読めます。感動。すごくない? 良い時代に生まれたな…

Kindle版は端末がなくても無料アプリがあるのでスマホで読めます。アプリ内購入はできないけど、ブラウザで購入しておけばすぐにダウンロードできるよ。サクサクで使いやすいし、Kindle端末を持ち歩かなくてもいいからめちゃくちゃ便利。通勤中はいつもこれです。

 

前回の感想文はこちら。

 

 

あらすじ

 

作家の「私」は昨年の暮れに酒を断ち、もうすぐ一年になる。積年の大酒がたたって、記憶が飛んでしまうようになったために、やめたのだ。それでもなお、記憶がすっぽり抜け落ちることがある。そんな秋の頃、「私」の自宅を謎めいた美女が訪ねてくる……。洗練された文章が読む者を酔い心地にする幻想綺譚。

時代背景について言及がないのですが、流れる雰囲気が全体的にちょっと昔の日本という感じ。奥さんのことを家の者って呼んでいるし、作家が酒飲みっていう設定もなんか昭和初期以前っぽいです(私の個人的イメージ)。

 

主人公は酒のために記憶障害になっていて、とくに短期記憶がかなりいかれています。主人公の言葉をかりるなら、”ござっている”。この言い回し好き。

その不安定さが、ふらつきが、読んでいる者にも伝わるような筆致が見事です。

精神がばらばらにほどけて、瞬間瞬間で わかる わからない が移り変わっていく感じ。体感的には村田沙耶香さんの『コンビニ人間』に似ている。

 

溶けていく記憶の中で

 

物語は主人公のひとり語りで進んでいきます。

自宅に訪ねてきた、編集者だという美女。紆余曲折あり二人は女が泊まっているホテルのバーへ飲みに行くことになる。

ノンアルコールビールを頼んだはずなのに、いつのまにかウィスキーのグラスを手にしていることに気づく。

そして部屋へ入り、女はシャワーを浴びる。

混濁する記憶を、細い糸を手繰り寄せるように探すが、部屋に入ったことすらはっきりとは思い出せない。

それどころか自分の仕事も、妻の名も、家の場所さえも覚えていないことに気が付き愕然とする。昔のことは思い出せるのに。

ちょうどそのとき目に映ったあるものが数分前の彼の記憶を呼び起こし…

 

死者の物語

タイトルにもある「盆踊り」とは、死者を供養するための仏教行事。

盆には死者が家に帰って来るという考え方から、かぶりものをして顔を隠し、死者の生き返った姿に扮した人がその物語を演じたという。

 

ああ、酒をやめなければ。

酒をやめさえしなければ死後の生をいきていられたのに。

 

最後の最後に主人公が悔やんで言ったこの台詞の意味に、この物語が込められていると思います。

あなたはどう解釈しますか?

 

これは裏を返せば、「酒をやめたせいで自分は生きながらにして死んでしまった」、ということ。

生きながらの死とは?

死後の生とは?

女の目論見とは?

そして主人公があるものによって唐突に思い出したこととは?

 

あなたも読んで、確かめてみてください。

 

それではまた!

 

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