モモの読書感想文028~ 『新釈 走れメロス』森見 登美彦
こんばんは! モモです。
最近読み直したシリーズ。
もともと文庫で持っていたんだけれど、いつだったかの引っ越しで手放してしまったのでKindle版を買いなおしました。
『新釈 走れメロス 他四篇』 著:森見登美彦
私はよく同じ本を2度買うことがあります。人にプレゼントしたり、手放した後に後悔して買いなおしたり。
そういう本は貴重だし、そんな大切な本を書いてくれた作家さんにお金を支払えるのはうれしいです。
前回の感想文はこちら。留学したいので英語の勉強しています。
近代文学名作を森見ワールドで大胆にリメイク!
『山月記』『藪の中』『走れメロス』『桜の森の満開の下』『百物語』。
教科書に載っているようなあまりにも有名な作品たちを、森見登美彦がお得意の舞台 ”京都”に持ち込んで好き放題にリメイクしています。
森見さんの作品はどれも文体が独特で、リズム感があって読んでいるとクセになります。その文体はそのままに、原作の文言を織り交ぜながら展開していくさまは圧巻です。
原作を読んだことがなくても楽しめるし、むしろ後から原作読みたくなるかも。
おなじみのあのキャラクターたちも!
『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』なんかにでてくるおなじみのあの人たちも出てきます。私は詭弁論部の面々が好き。
森見作品好きには絶対読んでほしい。いつも通り、しょうもないことをもっともらしく書くのがね、天才的です。笑えるし、共感できるし、青春のにおいもして切ない気持ちもする。
こんな好き放題のリメイクに耐えうるとは、近代文学の懐の深さを感じます!
原作の作者は、太宰治や芥川龍之介、中島敦などそうそうたる面々。
青空文庫で読める作品もあるので、未読の方もお久しぶりの方も、ぜひぜひ読んでみてくださいね。
とくに芥川龍之介の「藪の中」は、解釈が何通りもあって楽しいです。芥川の作品ってちょっとうがった目で見るとはじめとは全然違った感想が出てきたりするのですごく面白いですよ。
それでは、また。
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