アトピーを改善してQOLを上げた話 ~ステロイドは怖くない。
モモです。
私は物心ついたときにはもう、アトピーでした。
今も完治はしていません。でも、自分がアトピーだということを忘れて生活できています。
今日は、アトピっ子なら誰しもが直面する「ステロイド剤」との付き合い方について私の考えと体験談を書いてみようと思います。
アトピーかゆいかゆい地獄
「かゆい」って、地獄です。
仏教では8種類の地獄が存在すると言われていますが、アトピーかゆいかゆい地獄はもはや9つめの地獄ではなかろうか?
ひっかいても叩いてもつねっても、それでもかゆい。体の芯からなにかが湧き上がるような猛烈な熱さとかゆみ。
アトピーの症状が「痛み」だったらどんなに良いかと、何度も思いました。
そうして毎日掻き壊した肌はどんどん固くなって黒ずんで、思春期を迎えるころにはそれが今度は心を壊しました。
恥ずかしさと劣等感をたくさん抱えて、周りのつるんとした女の子を見ては「うらやましい」、「私はなんて醜いんだろう」って。
きちんと治療をしない人が多すぎる
脱ステの恐ろしさ
そんな私ですが、今ではだいぶ症状が軽くなって、湿疹はもうまったくありません。
肌の手触りも明らかに変わりました。柔らかくてすべすべしてる。嘘みたいです。
子どものころよりも、10代の頃よりも、今が一番ぴちぴちの肌です。
なぜ治ったか。
きちんと治療したからです。
これだけ。
虫歯ができたら歯医者さんで削ってもらう。
風邪をひいたら抗生剤を飲む。
当たり前ですよね。
なのに、ことアトピーに関しては積極的に治療をしない人が多くいます。
私もずっとそうでした。アトピーの治療に使われる「ステロイド剤(軟膏)」。これが身体に良くないものだと、親も私も信じていたからです。
でも社会人になってから参加した東京逓信病院の「アトピー教室」で、その認識が間違っていたことを知りました。
1980年代にマスコミがステロイドバッシングをしたことで、誤った情報が錯綜したんだとか。ほんと、恨む・・・。
ステロイドは悪ではない。
きちんと使えばアトピーの症状はかなりコントロールできますし、徐々に量を減らして使用をやめていくこともできます。
実際私はステロイドをやめてもう3年近くになります。家にあるステロイドの使用期限は2016年で切れています。
皮膚の炎症は火事と同じ
まずは炎症の重症度に合わせて、強いステロイド剤を多めに使いました。
火事の現場にちょろちょろと水をかけても、火種が残っている限り炎は消えない。
それと同じように、まずはがっつり炎症を鎮火させることが大事です。
それから徐々に量を減らしたり間隔を空けたりして、最後は塗り薬を使わないところまで行けたら最高です。
コツは自己判断で勝手にやめないことです。きれいになったと思ってからも、少しの間辛抱して塗りつづけることで、肌を良いサイクルに持って行けます。
一度バリア機能が治るとアレル物質に触れても反応しにくくなるので、どんどんどんどん肌がきれいに、柔らかくなっていくのを実感できました。
湿疹ができるスピードよりも、修復していくスピードのほうが速くなっているのが目に見えてわかりました。
「脱ステ」商法に騙されないで
「脱ステ」、いわゆる「脱ステロイド療法」は、ステロイド剤で治療していた人が途中で使用を止め、体内に残ったステロイド剤を排出して自然治癒力で治す、という治療です。
ネットでも本でもたくさん、ほんとうにたくさん紹介されています。
使用を止めた後すぐは、リバウンドといって症状が今までよりもずっと強く出ます。
夜はかゆみで眠れず、肌がただれて滲出液が出て服も着られないほどだとか。
そんな生活を根気よく続けると今度はひどい乾燥期に入ります。
象の皮膚のように固く乾いたようになり、それがぺりぺりと剥がれ落ちたらいつのまにかきれいな肌が再生している・・・
さてどうでしょうか。
実際に治った人もいるのでしょうが、これ、やりたいですか?
仕事もやめて、引きこもらないといけないし。めちゃくちゃ辛そうだし。何年かかるのかもわからないし治る保証もない。アトピーどころか合併症を引き起こすリスクが高すぎるし。
QOLを上げよう
私は、仮にステロイド剤に薬害があったとしても(副作用はもちろんあると理解してますが)、「多少寿命が縮まったっていいからストレスのない生活をしたい」って思ったので思い切って治療しました。
3日で効果を実感して、一か月後にはずっと夢だった半袖のブラウスを着てデートに行きました。
まだまだ色素沈着もあるし、アレルギー体質であることに変わりはないです。
でも、かゆくない生活ってものすご~く快適です。20年以上地獄を見ていたからこそ、今がものすごく幸せに感じる。
QOL=Quality Of Life。
人生は一度きりだから。
今日も眠れないあなたへ
症状が強く出ていた時、夜眠るのが怖かった。
理性が働かない寝ている間に、どれだけ自分を傷つけてしまうかが怖くて。
朝目が覚めておそるおそる身体を確認するんです。
アトピーは私のメンタリティに多大な影響を与えました。
もしアトピーでなかったら、私はまったく違う人間だったろうと思います、良くも悪くも。
私の経験が少しでも、今日眠れない誰かの役に立ったらいいなと思っています。
需要がありそうだったら、どんなふうにお薬をつかっていたかや、アトピーでも使えた化粧品などなども追々書いていきたいなと思います~!
それでは、また。