モモの読書感想文008~『ちょっと食べられちゃったパイ君』アレックス・ウィリアムズ
こんにちは。モモです。
今回の感想文は、絵本です。
タイトルにがっちり心をつかまれました。
『ちょっと食べられちゃったパイ君』 著:アレックス・ウィリアムズ
前回の感想文はこちら。芥川賞受賞の話題作。
あらすじ
ある朝早く、パイ君は目を覚ましました。とっても変な感じがしたので、絶対何かおかしいと思いました。
頭の中が寒い気がして手を伸ばしてみると、自分はもう、まん丸ではありませんでした。パイが一切れなくなっていました。
いきなり自分の一部を失ったパイ君。
カップケーキちゃんに「きもちわるい!」と言われ、キッチンから追い出されてしまいます。
病院、義足屋、カウンセリングなどを転々としますが、心を傷つけられた上に元の丸いパイには戻れず、大事なプラム(具)を失うばかり。
割れたビン君の助言で警察へ行き、防犯カメラの映像を見たパイ君は驚愕します。
寝ている間に、自分で自分を一切れ食べていたのです。
自分を本当に傷つけられるのは、自分だけ
衝撃の事実でしたが、パイ君は欠けている自分を受け入れて残りの人生を楽しもうと決めます。
たくさんの人の言葉や行いに傷つけられたパイ君だけれど、そもそもの原因を作ったのは、他でもない自分でした。
しかも、本当に欠けたわけじゃない。食べちゃったんだから、失くさずに自分の中にあるんだよね。
形は変わってしまったしプラムも少し減ってしまったけれど、誰でもずっとまん丸ではいられないんです。何も失くさずに生きていくことなんてできないんです。
誰かのせいにすることは簡単だけれど、きちんと自分のせいにできたとき・自分に原因があると認められたときにだけ、自分を欠かすことなく正しく傷つくことができるんだなぁと思わせられました。
パイ君、深い。
ものすごく気になる
絵本の本領は、読み聞かせの場で発揮されます。
ということで、ユウキ君に読み聞かせてみたのですが(笑)、読みながらものすごく気になったことがひとつ。
主語が多い!!!!!!
「パイ君は」多い!!!!!!
すごく、「翻訳」って感じ。
日本語ってほんとうに主語を省略する言語なんだなぁ、と改めて感じました。
内容は面白かったけどパイ君はパイ君はばっかりで読み聞かせには向かないことがわかりました。
でもパイ君はとっても可愛いです。
それでは、また。
Next bookreport is…
このお話 おもろい。次の読み聞かせは 是非 私にお任せあれ