エドワード・ゴーリーの優雅な秘密
こんばんは。モモです。
お久しぶりの投稿です。
この夏、八王子夢美術館で開催されていた「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密」展に行ってきました。
エドワード・ゴーリーといえば、ちょっと不気味な雰囲気の作品が多い絵本作家。
ある冬の晩に家に上がり込んできたへんな生き物が、そのまま棲み着いてしまう『うろんな客』、
頭文字がA~Zの名前の子供たちがあらゆる種類の死をとげる『ギャシュリークラムのちびっ子たち』。
理不尽でナンセンス、淡々と残酷。
なのに出てくる子供たちやキャラクターはのんびりとした顔つきで、表情のないままに
死んだり、殺したり、過酷な運命を受け入れたり。
そのミスマッチがより不気味な雰囲気を醸し出します。
細い線で緻密に描画されたモノクロの世界観。
原画を見ていて思い浮かぶのは、「ムーミン」のトーベ・ヤンソンです。
なんだか似てるよね、と友だちと話していたらそれもそのはず、ヤンソンのほうがゴーリーを敬愛していたのだそうです。
読み終えると不安な、薄寒い気持ちになる。
ゴーリーの作品は果たして子供向けなのか? はたまたかつては子供だった大人へ向けたものなのか?
小さい子に見せるにはちょっとね…と思いつつも、
すべてがフィルタリングされた潔癖な現代っ子の世界にぽいっと放り込んでみたくなるのもまた本当で。
読み聞かせをするならどんな風に読もうか?
やっぱり真顔で淡々と…って読んでるこっちがトラウマになるかもね。
なんて話しながら。
八王子夢美術館、初めて行きましたが、こぢんまりしていていいですね。
ゴーリーの世界観にのまれて、外の暑さが嘘みたいな、すうすうした空間でした。
それでは、また。