好きなものの話~「夜」
こんばんは。モモです。
私は夜が好きです。好きか嫌いかでいえば好き、というのではなく
”とっても” 好き、愛してると言ってもいい。
休日前夜なんかの夜更かしのチャンスは絶対逃さない。いつまでだって起きている。
しちゃダメなときもしちゃうけど。
時間は22時以降が良い。
多くの人が眠りについて、世界がゆるやかに活動を止め始める時間。
それより前はまだ半人前の夜という感じで、あんまり良くない。
いつまででも起きていたいし、日がのぼりはじめてからベッドに入るのも好き。
夜を味わい尽くした気がするし、なんか怠惰な感じがいいんですよねぇ。
そうだ、「怠惰」も好きなもののひとつ。なんか贅沢な感じがするでしょ。
季節は、初夏と秋が良い。
この季節は暑すぎたり寒すぎたりしないから、身体と空気の境目がぼやけるような、
体温が闇に溶けていくような丁度いい夜が味わえる。でも残念ながら、そんな季節はとっても短い。
電気を消して窓を開けてぼ~っと外を眺めているといつも
私が死ぬのはきっと、夜だろうなぁと思う。
そのときは初夏か秋の夜に、空気に溶けるように消えられたらいい。
産まれたのも夜だった。それも、調べたら満月の夜だった。
本物の夜の闇というものを、一度だけ体験したことがある。
小さいころ、まだ小学校に上がる前くらいのときに父と母と行ったキャンプで
山の上の川っぺりに構えたテントのまわりには、見たこともない本物の夜があった。
電気も水道もガスもない、人もいない、圧倒的な暗闇とこぼれるように立体的な星空。
星の大きさってぜんぶ同じじゃないんだなぁと思ったような気がする。
なにしろ真っ暗で何も見えないので、遠近感がバグって星が目のすぐ前でチカチカしていた。
本物の夜は、かなり危ういんだってことはそのときに知った。
一歩脇にそれたら私、気が狂うんじゃないか? っていう怖さがある。
良くも悪くも都会にはそういう本物の夜はないので、安心して窓が開けられる。
そうそう、夜といえば、”おそらく叶わないだろうけどしたい”なぁと思っていることがある。
それは、夜遅くに美術館に行くこと。
これはもう本当に、声を大にして言いたいのですが! 深夜に絵画を見たいんです!
たとえば植物は夜よりも昼のほうがきっと素敵に見えるけど、絵画や美術品は絶対、夜なのに~!
でも残念ながら叶わないので、今は夜だ!と思い込んで見る、っていうのをやっています。
そうすると俄然、匂いが変わります。気配が濃くなるというか、輪郭がはっきりするというか。
隠れていたものがわき出てくる感じ。(霊感はまったくないです)
さて、今日もこのまま夜更かししていたいけれど、
残念ながら明日からまたお仕事なのでそろそろ眠ることにします。
それでは、また~。
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